稲森 英彦 Hidehiko INAMORI
プラナ松戸治療室代表
【略歴】
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
1998年に鍼灸師資格を取得。心療内科クリニックに勤務し、東洋診療部門を立ち上げる。
2005年に自律神経系・心療内科系鍼灸院のプラナ松戸治療室を開設。
現在(2025年)臨床歴27年。
ストレスによる息苦しさ、めまい、喉のつまり感、動悸、吐き気、不眠、頭痛、首肩腰痛、慢性疲労、不妊、目の不調などに。全身のバランスを整えて自律神経の乱れを癒します。
詳細はコチラ現代医学・東洋医学・心理学の視点から総合的にアプローチする健康相談を提供します。検査データに基づいた的確な助言、鍼灸や漢方など自然治癒力を高める方法、心のケアまで、専門知識と経験で丁寧にサポート。対面・オンライン相談が可能です。
詳細はコチラ息苦しさ、不眠、動悸、うつ症状、痛み、めまいなど、幅広い症状に鍼灸で改善をもたらした症例集です。自律神経の調整から、体調不良まで、心身の調和を取り戻す症例をご紹介します。
詳細はコチラご予約、ご相談、ご質問などはこちらのフォームをご利用下さい。
逆子とは、お腹の中で赤ちゃんの頭が上になっている状態のことをいいます。医学的には「骨盤位」と呼ばれています。多くの場合、妊娠32〜36週ごろには自然と頭を下にしてくれますが、中には出産の直前まで逆子のままのこともあります。
もし出産時に赤ちゃんが逆子の状態だと、帝王切開になる可能性があるため、心配される方も多いかもしれません。
現代医学では、逆子になるはっきりとした原因はまだ分かっていません。双子などの多胎妊娠、子宮のかたちや筋腫、胎児の未熟性、羊水の量、胎盤の位置など、いくつかの要因が考えられています。
一方で東洋医学では、「お母さんの体の状態が赤ちゃんに映し出される」と捉えます。赤ちゃんはお母さんの一部であり、心と体のバランスがそのままお腹の中にも反映されると考えるのです。
特に、赤ちゃんの位置と深く関わるのが“腰”。生殖器にもつながる腰椎がゆがんでいたり冷えていたりすると、赤ちゃんが回転しづらくなることがあります。
また、東洋医学的に見て逆子になりやすい体質としては、
鍼灸では、体の巡りを整え、赤ちゃんが自然に回転しやすい状態をつくっていきます。特によく使われるのが、足の小指にある「至陰(しいん)」や、内くるぶしの上にある「三陰交(さんいんこう)」というツボです。これらのツボは、下半身を温めて、骨盤や子宮周りの血流を促す働きがあります。
当治療室では、お一人おひとりの体質を丁寧に見極めながら施術を行っています。状態によっては、たった1回の施術で赤ちゃんが回ってくれることもありますが、骨盤のゆがみが強い場合は週に1回程度の継続治療をおすすめすることもあります。
鍼灸は、出産が近づいてからでも受けていただけますので、安心してご相談ください。
冷えは逆子の大きな原因のひとつと考えられます。特に、足首・膝・首・肘などの関節部分を冷やさないように心がけてみてください。
また、骨盤を柔らかく保つためには、のんびり気ままなお散歩もおすすめです。荷物を持たず、ただ歩くだけでも、骨盤の緊張がやわらぎます。
そして、目や頭を使いすぎると、頭の骨がこわばり、その影響で骨盤まで固くなることがあります。スマートフォンやパソコンを控えめにしたり、目を閉じて深呼吸したりする時間も大切にしてください。
出産は、女性にとって命をかけた尊い時間です。だからこそ、産前も産後も、ご自分の心と体をやさしく労わってあげてください。
赤ちゃんとの出会いを、安心して迎えられますように。私たちもそのお手伝いができたら幸いです。
WordPress用に使える、温かみのある「連絡先リンク」の例を以下にご用意しました。必要に応じて、実際のメールアドレスや予約ページのURLに差し替えてお使いください。
赤ちゃんとの出会いを安心して迎えられるように、丁寧にサポートいたします。
どんな小さなご不安でも、お気軽にご相談ください。
春先になるとぎっくり腰(急性腰痛)の患者さんが増えます。これは気温が温かくなったり冷えたりしながら春に向かう「三寒四温」によって、体が疲れて冷えてしまうためです。
腰の筋肉も冷えて緊張しています。このような状態で腰に負担をかけると「魔女の一撃」でぎっくり腰になってしまうのです。
また気温が上がってくるとどうしても薄着になりたくなりますが、多くの人は三寒四温による疲れが取れていません。体の芯は冷えているのです。ですから性急に薄着になるのは良くありません。体の芯が温まるまで薄着は控えた方が無難です。
冷えた飲食も体を内側から冷やすため良くありません。温かくなってきた春先は冷たい飲食よりも、むしろ温かいものを摂った方が良いのです。
東洋医学では体を冷やす邪気を「寒邪(ふうかん)」といいます。春先は風が強くなりますが、風に当たると体は冷えます。これを「風寒」といい「カゼ」を引く原因になります。春先は風寒の邪が体に入りやすい時期なのです。
この時期に「風寒」が体に入るとカゼっぽくなり筋肉は冷えて緊張します。これがぎっくり腰を引き起こします。またこの時期の寝違いも同様です。朝起きてみたら首が痛くて回らなくなることがありますが、それは風寒の邪に入られたことの結果なのです。
このような状態で無理にストレッチや運動などをすると、かえって悪化することがあります。また痛む部位を指圧しても同じように悪化することがあります。こじらせると患部が炎症を起こして長引いてしまいます。ですからぎっくり腰だと思ったら、すぐに専門家に相談すると良いでしょう。
ぎっくり腰の鍼灸治療は比較的シンプルです。風寒の邪を鍼で抜いて、お灸などで体の芯の冷えをとるだけです。すると冷えた体は血液やリンパ液の循環を取り戻し、体が温まっていきます。その結果、強張った筋肉は緩み痛みが減少していきます。
早いと数日で、遅くても一週間以内には全快することが多いです。しかしこじらせてから鍼灸治療をすると時間がもっとかかってしまいます。また無理をすると、場合によってそのまま慢性腰痛になることもあります。ですから腰に異状を感じたら早めに治療をされると良いでしょう。やはり早期発見、早期治療が大切です。
当治療室には様々な眼の病気の方が来院されます。
当治療室では東洋医学的な観点で治療を行っており、西洋医学的な治療で効果が芳しくなかったケースでも改善されることがあります。 今回は当治療室で行っている認知鍼灸療法の眼科疾患に対する考え方を簡単にご紹介いたします。
東洋医学では全身にくまなく「気」というエネルギーが流れていると考えられています。この「気」の流れる道筋を東洋医学では「経絡(けいらく)」といいます。
経絡の「気」は体の組織を栄養し、健康な状態に保っています。 経絡が滞ると、その部位の血液やリンパ液、神経、体表電位など様々な「流れ」が滞ります。するとその滞っている部位や関連した組織に問題が生じてくるのです。
経絡が正常な場合には組織には弾力性があり、また適度な温かさを感じます。 しかし経絡が滞ると組織はブヨブヨと浮腫んだり、反対に硬く強張ります。 冷えたり熱を持ったりすることもあります。
自然界でも川の清流は水が綺麗ですが、川の流れが滞ってしまうと水が淀んでしまい、腐敗してドロドロした状態になります。経絡も同じで、そのような状態になるとその組織は病的な状態へと変化していくのです。
眼の健康に重要な経絡は「足少陽胆経(あししょうようたんけい)」です。
足少陽胆経の一部は、後頭部や側頭部を巡っています。
図1.「足少陽胆経」
(『東洋医学のしくみ』、新星出版社、2009年、p125より転載)
この経絡が滞ると後頭部や側頭部に異状が現れます。
この部位は解剖学的には「蝶形骨」や「後頭骨」があり、眼にとってとても大切な部位です。
図2.蝶形骨(Wikipediaより転載)
図3.後頭骨(Wikipediaより転載)
ところで頭蓋骨は微かに動いています。
呼吸にしたがって膨らんだり萎んだりしているのです。
この動きに連動して「蝶形骨」と「後頭骨」も微かに動きます。
蝶形骨や後頭骨の結合部が接点になって、歯車のようにそれぞれ反対に回転するのです。
図4.歯車の回転(KHKホームページより転載 http://www.khkgears.co.jp/gear_technology/basic_guide/KHK351_2.html)
図5.蝶形骨後頭骨底結合の回転
足少陽胆経の異状によって周辺組織が硬化してこの回転が阻害されてしまうと、眼に向かう様々な「流れ」が停滞し多様な問題が出てしまうのです。
蝶形骨は眼にとってとても大切な骨です。
蝶形骨には上眼窩裂や視神経孔などの穴があり、この穴には眼球を動かす神経や目を栄養する動脈や静脈が通っています。
図6.蝶形骨(眼窩)の孔(Wikipediaより転載)
ですから蝶形骨に問題があった場合に、血液やリンパ液などの流れが悪くなることで、眼の免疫機能に異状が出たり、眼の修復機能に影響が出ることは容易に想像がつくでしょう。
そのため眼のアレルギー性疾患や細菌などの感染症に罹りやすくなり、春季カタル、アトピー性角結膜炎、結核性ぶどう膜炎などになると考えられるのです。
足少陽胆経の異状による周辺組織の硬化は、蝶形骨と後頭骨の回転を阻害します。
そして様々な「流れ」が滞ることにより眼の病気に繋がっていくと考えられるのです。
これまでの経験上、頭部に「外傷」を受けたケースが多い印象です。
球技中にボールで眼を強く打撲したり、高いところから落ちて頭を強く打っているケースなどがありました。
小児のケースでは、出産に時間がかかり、頭部にたいへんなストレスがかかっていたことが原因の場合もあります。
東洋医学では外傷によって血が停滞した状態を「お血(おけつ)」といいます。
お血が生じると当該部位の「気」の流れが悪くなり、様々な症状が表れます。
足少陽胆経にお血が生じると、蝶形骨と後頭骨の関連で眼に問題が出てくることが考えられるのです。
もちろん眼に関係する部位だけでなく全身状態も大切です。
日頃の不摂生や外傷、体質などから全身の「気」の流れが悪い場合は、体が「冷え」てしまい、アレルギーや細菌感染のリスクはさらに高まります。
全身の「冷え」をとりながら、さらに眼に関わる部位の「気」の流れを改善すると、新鮮な血液が眼に流れ込み、滞っていたリンパ液なども排出されて、修復機能が活発に働くようになるのです。
頭部の経絡の調整やお血を除くこと、また全身の「冷え」を取るなどの東洋医学的なアプローチで、西洋医学では芳しい効果が得られなかったケースでも改善されることがあります。
黄斑変性症で手術を勧められていた方が手術を回避できたケースや、春季カタルなどのアレルギー性疾患が改善されたケースもあります。
眼のような感覚器官はとても複雑な構造をしています。
そしてそのような複雑な組織は、一度損傷を受けるとなかなか回復しない傾向があります。
だからこそ手術はリスクが高いわけです。
眼にメスを入れる前にぜひ東洋医学の治療をお勧めします。
緊急を要さない場合には、まず試されると良いでしょう。