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松戸 鍼灸治療 心療内科

鍼灸治療

ストレスによる息苦しさ、めまい、喉のつまり感、動悸、吐き気、不眠、頭痛、首肩腰痛、慢性疲労、不妊、目の不調などに。全身のバランスを整えて自律神経の乱れを癒します。

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現代医学・東洋医学・心理学の視点から総合的にアプローチする健康相談を提供します。検査データに基づいた的確な助言、鍼灸や漢方など自然治癒力を高める方法、心のケアまで、専門知識と経験で丁寧にサポート。対面・オンライン相談が可能です。

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息苦しさ、不眠、動悸、うつ症状、痛み、めまいなど、幅広い症状に鍼灸で改善をもたらした症例集です。自律神経の調整から、体調不良まで、心身の調和を取り戻す症例をご紹介します。

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新着情報

男性にも「更年期」がある? 〜LOH症候群の実態と鍼灸でできること〜

「最近、やる気が出ない」「眠りが浅い」「なんだか毎日がつらい」——
そんな症状に心当たりのある中高年の男性、もしかするとそれは男性更年期障害(LOH症候群)かもしれません。

あまり知られていないこの症状ですが、実は多くの男性が密かに悩んでいます。今回はその実態とメカニズム、医学的な治療法、そして鍼灸がどのようにお役に立てるかについて、信頼できる情報をもとに丁寧にご紹介します。

男性更年期障害とは? 〜LOH症候群の正体〜

LOH(Late-Onset Hypogonadism)症候群とは、加齢によって男性ホルモン(テストステロン)が減少し、心身にさまざまな不調が現れる状態です。

女性の更年期に比べて知られていませんが、近年、医学的にもその存在が明らかになってきました。

中高年就労男性の約10%が該当? — 疫学データから見る実態

中高年就労男性のおよそ 約10%が更年期障害に苦しんでいます。

テストステロンは40 歳代で約 10%,50 歳代で約 20%,60 歳代で約 50% が境界領域以下になることが知られており、30代から緩やかに減少を始め、特に慢性ストレスや生活習慣の乱れがその減少を加速させます。

主な症状は? こんなサインが出ていたら要注意

身体的な症状:

  • 慢性的な疲労感
  • ほてり・発汗
  • 筋力や持久力の低下

精神的な症状:

  • 抑うつ気分・不安
  • 集中力や意欲の低下
  • イライラ、睡眠障害

性機能の変化:

  • 性欲の減退
  • 勃起機能の低下(ED)

原因は「テストステロン」の減少にあった

この症候群の中心的な原因は、男性ホルモン・テストステロンの低下です。

テストステロンは、筋肉や骨、心のバランス、性機能に深く関わるホルモン。
その分泌は、脳の視床下部→下垂体→精巣というホルモンの連携システム(HPG軸)によってコントロールされています。

加齢やストレスによりこの軸がうまく働かなくなると、テストステロンが減少し、さまざまな不調が起こります。

医学的な治療法:まずは正確な診断から

1. 血液検査

遊離テストステロン(Free-T)の値を確認します(8.5pg/mL未満が目安)。

2. 質問票

「AMSスコア(Aging Males’ Symptoms Scale)」というスクリーニングテストがあります。

3. 治療選択肢

  • テストステロン補充療法(TRT):注射や塗布剤を使用
  • 漢方薬:補中益気湯、八味地黄丸など(エビデンスは限定的)
  • 生活改善:運動、睡眠、禁煙、アルコール制限
  • 心理的ケア:抗うつ薬やカウンセリングも併用されることがあります

鍼灸でできること 〜心身の「バランス」を整える東洋医学のアプローチ〜

西洋医学の治療に加えて、鍼灸は補完療法として有望な選択肢となり得ます。

鍼灸の効果(考えられるメカニズム):

  • 自律神経を整える:ストレスによる交感神経の緊張を緩和
  • ホルモン分泌の調整:視床下部の活性化を通じたホルモン系への間接作用(仮説)
  • 性機能の改善:骨盤内の血流促進、神経調整(EDへの応用報告あり)

よく使われるツボ(臨床例):

腎兪、命門、関元、足三里、太渓、神門 など

これらは東洋医学でいう「腎虚」や「肝鬱気滞」の改善を意図した配穴です。

注意: 鍼灸は医学的な治療に代わるものではなく、医師の診断と併用する形で活用するのが理想です。

まとめ:男性更年期は「気のせい」ではない

男性更年期障害(LOH症候群)は、明確なホルモンの変化に基づく病態です。
それは同時に、心身のバランスを見つめ直すチャンスでもあります。

もしあなたや大切な方が思い当たる症状を感じていたら、まずは気軽にご相談ください。
医師との連携のもと、鍼灸による丁寧なサポートをご提案いたします。

【世界とは何か?】最終回:死とは何か──仏教とユング心理学に見る“終わり”と“継続”の意味

「死」とは“終わり”なのか?

「死」はすべての人にとって避けられない現実でありながら、その本質について深く考える機会は意外に少ないかもしれません。

このシリーズでは、世界の構造、心と世界の関係性、意味の生成、他者との応答性などを仏教とユング心理学、そして「易」の視点から探求してきました。

それらの議論を踏まえると、「死」という出来事も単なる“終わり”ではなく、「意味の構造の再編成」として捉え直すことができるのではないでしょうか。


仏教における「死」と「死後」──五蘊と縁起から見る無我の死

仏教では、「死」は「自己」の終焉ではなく、五蘊(色・受・想・行・識)の一時的な離合集散にすぎません。

縁起の教えによれば、存在するすべての現象は、無数の因縁によって生じ、因縁が尽きれば滅していきます。したがって「私が死ぬ」というとき、そこには「一貫した実体としての私」が滅ぶのではなく、「条件的な構成体」が一時的に終息するという意味が強いのです。

『阿含経』には、釈迦が「人は五蘊によって構成される。五蘊は無常である。ゆえに苦しみである」と述べています。これは、死を恐れることよりも、無常を理解し、執着を手放すべきことを教える言葉でもあります。


ユング心理学における「死」──意識の統合と意味の完成

カール・グスタフ・ユングは、「死」を単なる終焉としてではなく、個性化(インディヴィデュエーション)の過程の完了とみなしました。

個性化とは、無意識と意識を統合し、真の自己に至る過程です。その道のりを経た魂にとって、「死」は崩壊ではなく、「意味の統合点」なのです。

ユングはまた、死後の世界についても言及しており、『赤の書』や晩年の著作には、象徴的な死後のビジョンが描かれています。そこでは「魂」が集合的無意識と再結合し、新たな意味の場に入っていくという構想が示されています。


死は「関係の終焉」か「関係の転化」か?

前回までの議論では、「世界は意味と関係性のネットワーク」であり、「私の問いに応答する他者」が世界の本質であるという視点を得ました。

この観点から見ると、「死」とは「他者との関係の断絶」ではなく、「関係の形式が変化する」出来事とも言えます。

  • 亡き人を想い続ける心
  • 死者の言葉を夢の中で聞く
  • ふとした偶然にその人の気配を感じる

こうした経験は、死後も関係が「意味の場」において存続していることを示唆します。


死と「世界の終末」──宇宙論的視点からの考察

仏教では、宇宙もまた生滅変化するものとされています。『起世因本経』では、世界が生成し、滅し、再び生成するという無数のサイクルが語られます。

これは、世界そのものも「意味の連鎖の中で生まれ変わる存在」であることを示しています。

一方で、ユングの集合的無意識の概念からは、「すべての魂がつながる共通の場」が想定されており、死後も意識のかけらはこの場に留まり続けると考えられます。


「死にゆく私」は誰なのか?──無我と“応答する他者”の視点から

死ぬのは「私」ではない。仏教の無我の教えは、この問いに答えています。
「私」というものは、五蘊の一時的な結合にすぎず、それが終息すれば、そこに「私」は存在しない。

しかし、ユング心理学的には、個としての「私」は死を迎えても、「普遍的な意味」へと昇華される道が残されているとされます。
つまり、死とは「小さな私」が終わり、「大きなつながり」に回帰する運動とも言えるのです。


死後の「応答」──死者からの返事はあるのか?

死者が語る、死者が応答するということはあるのか? これに対し、仏教は慎重であると同時に、開かれています。

例えば、『ジャータカ物語』では、過去生の記憶が語られ、死後も縁によって新たな生が始まることが描かれます。

また、ユング心理学では、「死者の夢」や「亡き人との内的対話」は、無意識からの意味深いメッセージとして扱われます。つまり、「死者は象徴的に応答する」のです。


おわりに:死は“意味の変容”であり、“関係の変奏”である

死とは何か。それは「存在の終わり」ではなく、「意味の変容」です。

仏教は「すべては縁起によって生起し、また滅する」と教えました。その観点では、死もまた自然の一環であり、恐れるべきものではありません。

ユング心理学は、「死」を魂の統合と再編成の契機ととらえ、象徴的な完成として尊重しました。

こうした視点を持つことで、私たちは死を通して生を深く理解し、生の中に死を抱きしめることができるようになるでしょう。

そして最期のときにも、世界が私にどのように“応答”してくれるか──それを見届けるまなざしを、私たちは持つことができるのです。


【総まとめ】── 世界とは何か?私・他者・病・死と「意味」の宇宙論

本シリーズを通して私たちは、「世界とは何か?」という根源的な問いに、多角的かつ深層的に取り組んできました。

ユング心理学の共時性、上座部仏教アビダンマの瞬間的な世界生成、『アガンニャ経』に描かれた宇宙神話、そして『易経』の関係的宇宙観──それぞれは異なる文化的背景を持ちながらも、実は「意味の場」として世界を捉えるという一点において交差していました。

■ 私たちは世界を「生きる」のではなく、「生成している」

現代人はしばしば、世界は客観的に「そこにある」ものだと考えがちです。しかしアビダンマの心理哲学は、世界は刹那ごとに「心」によって立ち上げられる現象であると語ります。ユングはこの「心が現実を意味で貫く力」を共時性として捉えました。

つまり私たちは「与えられた世界」に住んでいるのではなく、心の働きによって意味づけられた世界を、その都度生きているのです。

■ なぜ世界に多様な存在があるのか?

『アガンニャ経』に描かれた天地開闢の物語では、世界の始まりは「欲望」から分離が生まれ、自己と他者が現れたとされます。それはユング心理学における「個性化過程」とも通じます。

この宇宙に多様な存在があるのは、分かたれたもの同士が関係性の網の目を織りなし、再び意味を回復していくためなのかもしれません。つまり、存在は「孤立」しているのではなく、常に他の存在との間で響き合いながら世界を織り成しています。

■ 応答する他者、応答しない他者

シリーズ中盤で扱った「他者」の問題は、とくに哲学的に重要な論点でした。
私の問いに応答する他者とは、私と意味を共有できる場にいる存在です。これは人間に限らず、動物、自然、夢、出来事までもが含まれます。

逆に、応答しない他者とは、私の「意味の場」にまだ繋がっていない存在です。しかしそれは「敵」や「無関係なもの」ではありません。むしろ、応答しない他者の存在があるからこそ、私たちは「意味とは何か」を問い続け、世界を広げていけるのです。

■ 病気とは「意味の転換点」である

「病気」という現象も、もはや単なる肉体の故障としてだけでは捉えられませんでした。アビダンマ的には、病は心と身体の微細な因果の集積であり、心の偏りや執着が引き起こす現象として理解されます。

ユングにとっては、病はしばしば魂の危機であり、より深い意味に目覚めるための呼びかけでもあります。病気を「意味の転換点」「魂の調律」として受けとめるとき、それは単なる敵ではなく、自己と世界を見直す貴重な縁となり得るのです。

■ 「死」とはなにか?

死は、生の終わりではありませんでした。むしろ、生の意味がもっとも純粋なかたちで問われる瞬間です。

アビダンマにおいては、死とは一つの心の流れが終わり、次の生の条件を引き継ぐ「断絶なき変化」であり、輪廻の一環とされます。
ユングは、死を「個性化の最終段階」、魂が集合的無意識に帰還する過程と見ました。

いずれの立場においても、死は「無」に還ることではなく、関係の変容です。それは、心と世界のつながりが別のレベルに移行することを意味しています。

■ 総合的な結論:世界とは「意味の場」である

本シリーズのすべての議論を貫く最大の洞察は、以下の一文に集約されます。

世界とは、客観的に存在する「もの」ではなく、
主観と他者とのあいだで生成される「意味の場」である。

私たちは日々、無数の出来事と出会いながら、そこに意味を与え、世界を織り直して生きています。問いを発するとは、その世界に向かって意味を差し出すこと
そして、世界が応答するとは、その問いがつくった縁に、他者が何らかの意味をもって応じること

■ 最後に:私たちは意味の共同生成者である

この世界は、誰かが一方的に作った舞台ではありません。
私たちは常に「意味」の共同生成者として、この世界を共に生き、編み続けているのです。

病も、死も、他者との出会いも、そのすべてが「意味のネットワーク」のなかで動いています。

そして、そのネットワークに耳を澄ませるとき──世界は、確かに私たちに応答しているのです。

神経過敏(HSP)と鍼灸治療|繊細なあなたのための身体と心のセルフケア

神経過敏(HSP)の特徴と鍼灸の可能性

現代では「HSP(Highly Sensitive Person)」=「神経過敏な人」という概念が広く知られるようになりました。HSPとは、生まれつき感受性が強く、五感や情緒に対して人一倍敏感に反応する気質を持った人のことです。人口の約15〜20%に存在するとされており、決して珍しいものではありません。

HSPの主な特徴

  • 光・音・匂いなどの刺激に敏感で疲れやすい
  • 人の気分や場の空気に影響を受けやすい
  • 感情移入や共感力が強い
  • 創造性・直感力が高い反面、刺激過多になると不安定に

これらの特徴は、単なる「繊細さ」ではなく、脳の感覚処理システムが深く複雑であることが関係していると考えられています。研究によれば、共感や感情認知に関わる脳領域が通常よりも活発に働いていることがfMRIで確認されています。

神経過敏は遺伝か?

感受性の高さには遺伝的傾向があり、神経伝達物質(特にセロトニン)に関連する遺伝子型との関連が報告されています。また、幼少期の環境(養育、トラウマ、愛着)によって発現の仕方が変わる「感受性の両義性」も重要なポイントです。

HSPと鍼灸治療の相性

神経過敏な人にとって、鍼灸治療は非常に効果的なセルフケアおよび身体調整法になり得ます。なぜなら、鍼灸は「交感神経優位」から「副交感神経優位」への切り替えを促し、過敏に反応する神経系を穏やかに整える働きがあるからです。

HSPにおける鍼灸の具体的効果

  • 感覚過敏や不眠、緊張の軽減
  • 情緒の安定、イライラや不安感の緩和
  • 内臓の働きの調整(自律神経バランスの回復)
  • 慢性的な疲労・頭痛・肩こりなどの解消

特に当院では、ただの局所治療ではなく「全身の気の流れ」と「神経の連動性」を重視した施術を行います。脊椎や腹部の調整を通じて、からだとこころの連鎖にアプローチすることで、深いリラックスと自己調整力の回復を目指します。

人生設計におけるHSPの知恵とセルフケア

HSP気質の方にとっては、「どこで、誰と、どう生きるか」が健康と幸福の鍵を握ります。以下のようなライフスタイルが有効です。

  • 静かな環境・自然とのふれあいを大切にする
  • 自分のペースを尊重できる仕事を選ぶ(クリエイティブ職やケア職など)
  • 無理な人間関係を避け、質の高い対人関係を育てる
  • 定期的な休息・瞑想・鍼灸などで神経系をリセットする

現代は刺激過多な社会です。だからこそ、自分の「感受性」をネガティブに捉えず、「繊細さ」という才能として活かしていくことが求められます。鍼灸はその土台づくりを支える有効な手段の一つです。

まとめ

神経過敏(HSP)は、決して病気ではなく、一つの「気質」であり「才能」です。自分を深く知り、適切なセルフケアや環境を整えることで、創造性と感受性を生かした人生を築くことができます。鍼灸治療は、そのような人生の伴走者として、大きな助けとなるでしょう。

【参考文献】

• Aron, E. N. (1996). The Highly Sensitive Person. Broadway Books.

• Aron, E. N., & Aron, A. (1997). Sensory-processing sensitivity and its relation to introversion and emotionality. Journal of Personality and Social Psychology.

• Liss, M., et al. (2005). Sensory processing sensitivity and social cognition. Personality and Individual Differences.

• Acevedo, B. P., et al. (2014). The highly sensitive brain: fMRI study of sensory processing sensitivity and response to others’ emotions. Brain and Behavior.

 

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神経過敏やHSP気質にお悩みの方、からだとこころを整える鍼灸治療に興味のある方は、下記のリンクよりお気軽にご相談ください。

代表プロフィール

稲森 英彦 Hidehiko INAMORI

プラナ松戸治療室代表

【略歴】
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
1998年に鍼灸師資格を取得。心療内科クリニックに勤務し、東洋診療部門を立ち上げる。
2005年に自律神経系・心療内科系鍼灸院のプラナ松戸治療室を開設。
現在(2025年)臨床歴27年。

アクセス

JR武蔵野線
新八柱駅・新京成線八柱駅から徒歩3分。
千葉県松戸市日暮3-10-10 カーザ日暮505
TEL 047-301-9015
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