稲森 英彦 Hidehiko INAMORI
プラナ松戸治療室代表
【略歴】
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
1998年に鍼灸師資格を取得後、心療内科に勤務。
2005年に自律神経系・心療内科系鍼灸院のプラナ松戸治療室を開設。
現在(2024年)臨床歴26年。
自律神経、内臓、骨格を整える鍼灸治療です。
ストレス性疾患、過呼吸、動悸、吐き気、めまい、頭痛、喉のつまり感、不眠、慢性的な首・肩・腰の痛み、慢性疲労、原因不明の不妊症、目の疲れ・痛みなどに。
現代医学、東洋医学、心理学の視点から総合的な健康相談をご提供いたします。
詳細はコチラプラナ松戸治療室の症例集です。めまい、息苦しさ、動悸、頻尿、聴覚過敏、不妊症、首の痛みなど。
詳細はコチラご予約、ご相談、ご質問などはこちらのフォームをご利用下さい。
自分は仕事ができない。作業が遅いし、正確でない。
だから自分はダメな人間だと責めている方がいます。
そのような思いでいるとだんだんと自分に自信がなくなり、
職場の同僚ともコミュニケーションが取れなくなっていきます。
するとさらに仕事が上手くいかなくなります。
そして朝から憂鬱になり、人生が苦しい、生きているのが辛いと感じるようになるのです。
このような悩みはカウンセリングでは一般的で、
多くの方が同じような悩みを持たれてカウンセリングを受けに来られます。
このような思いを持たれる背景には、共通した幾つかの信念が存在します。
今回は個人的な信念ではなく、日本人の多くが潜在的に持っている、
仕事に対する信念を取り上げます。
仕事ができない人間はダメな人間だ、という信念は、
「労働中心主義」と呼ばれる18世紀以降に起こった思想が関係しています。
世界の価値観を大きく変えたのは産業革命です。
産業革命以前は労働は単なる日々の糧を得るための手段でしかありませんでした。
しかし産業革命以降、労働は人間や人生の価値の中心に居座るようになります。
産業革命の背景にはプロテスタンティズムがあるとされています。
労働は神に捧げる尊い行為とされたのです。
この思想が人々を労働へと駆り立て、その勢いが産業革命に繋がっていきます。
労働こそが人生の価値観の原理になったのです。
資本主義である日本社会もこの思想、そしてそこから生じる価値観の影響を受けています。
そしていつの間にか、それが私たちの信念になっているのです。
この信念に基づいて自分や他者の人生の価値を判断しています。
仕事ができない人間はダメな人間だ、仕事で成功してこそ人生に価値があるなどです。
こうして日々自分や他者を裁いています。
ですから多くの人々が仕事を人生の中心に置き、強拍観念のように仕事で成功を夢見るのです。
もちろん仕事を通して自己実現を図ったり社会貢献もできますから、
仕事に精を出すことは悪いことではありません。
しかし仕事を人生の価値の中心に置くことには問題があります。
仕事は単なる生活の糧を得るための手段でもいいのです。
仕事ができようができまいが、それは人間や人生の価値とは関係がありません。
今の仕事が自分に合わないなら、合う仕事を探せばいいだけです。
そして日々の生活が成り立てば良いのです。
仕事のことで自信を失ったり、卑下する必要はありません。
仕事に対して深刻にならなくていいのです。
日本社会の多くの人が無意識のうちに労働中心主義に埋没しながら生きていますから、
そこから抜け出すことには抵抗があるかもしれません。
しかしそれを意識化することで、あなたの人生はとても豊かなものになります。
もっと幅広い視点で人生を歩むことができるようになるからです。
「仕事とは、夢を追うための時間つぶしである」と言った方がいましたが、
なかなか興味深い意見です。
このような視点で一度自分の中にある信念を見直してみては如何でしょうか。
きっともっと気楽に仕事に向うことができるでしょう。
子供達が夏休みで家にいて、お母さんたちは仕事が増えて大変ですね。
最近疲れたお母さんたちが、よく治療室に見えます。
完璧なお母さんを目指さないことが大切なんだと思います。
ところで、ここのところ猛暑が続いていますね。
でも患者さんの体は冷えている方がとても多いのです。
これだけ暑いとどうしてもクーラーの中に長く居がちで、
また冷たい飲み物も多く摂るようになります。
それで内臓が冷えてしまうのです。
体が冷えると熱が体表に篭ったり、のぼせたりします。
すると余計に暑く感じるのです。
食欲の低下、体のコリ・痛み、不眠などの症状にも繋がります。
こんな場合は温かい白湯を飲んだり、足湯をしてみましょう。
内臓が温まることで体が活性化し、体表に篭った熱は汗と一緒に体外へ出て行きます。
これをするだけでも、だいぶ体がスッキリしますよ。
ぜひお試し下さい。
ここのところ晴天に恵まれ、急激に暑さが増してきました。
こんな天気が良い日中に外出すると、目が疲れたり痛くなったりすることがあります。
これは紫外線の影響です。
紫外線は4月頃から強くなり、7月・8月にピークを迎えます。
このような強い紫外線は目をとても疲れさせます。
東洋医学的にみると「肝」のエネルギーを消耗させるのです。
「肝」は「血」や「神経系」と強く関連し、特に自律神経を乱すことがあります。
するとのぼせや吐き気、頭痛、目眩などが起こりやすくなるのです。
このように強い紫外線は体調を崩す原因になります。
ですから紫外線が強い日中はサングラスをして、目から入る紫外線量を調整しましょう。
暑さ対策だけでなく、紫外線対策も万全にし、
元気に夏を楽しみましょう!