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突発性側湾症の鍼灸治療


突発性側湾症とは

突発性側湾症は原因不明で脊椎が歪んでしまう病気です。

女性のバレリーナに多いことが知られていますが、当治療室に訪れた突発性側湾症の方は全員が痩せ型の女性で、小学校から中学校時代にかけて発症しています。

遺伝要因が指摘されており、親御さんに側湾がある場合には子供に遺伝する可能性が高くなります。

原始反射のGalant反射が生後6ヶ月以降も残存している場合に発症するという説もありますが、Galant反射が残っていない方も多い印象です。

突発性側湾症の症状

側湾症の方は背中の痛みだけでなく、頭痛や食欲不振、息苦しさ、動悸などを訴えられます。

一般的に側湾が悪化し胸郭が歪むことで心肺が圧迫され、動悸や息苦しさが出現するといわれていますが、そこまで悪化していなくても動悸や息苦しさを訴えられるケースはあります。

これは内臓と関連の深い脊椎にストレスが加わることが原因のようです。

突発性側湾症の鍼灸治療

このような遺伝要因が関わる疾患を治すことはたいへん難しいです。

鍼灸治療の目的は脊柱を真っ直ぐにすることではなく、脊柱を歪めている背中の筋肉の緊張を緩めることで頭痛や動悸、息苦しさ、食欲不振などの症状を緩和させます。

突発性側湾症の方の身体的特徴は脊椎が湾曲していることですが、これは脊椎近傍の筋肉群が緊張しているためです。

この筋緊張を緩和させるには背中に鍼をするだけでなく、手足の歪みを取る必要があります。

脊椎近傍の筋肉と連鎖している手足の歪みを調整すると、背中の筋緊張が緩み、内臓への負担が軽減され、頭痛や息苦しさ、動悸、食欲不振などの症状が改善されていきます。

突発性側湾症を悪化させないために

場合によっては側湾の歪み自体が随分と改善されるケースもあり、鍼灸治療は側湾を今以上に悪化させない可能性があります。

突発性側湾症が判明したら、なるべく早い段階から鍼灸治療を受けるといいと思います。