人間関係を壊すコミュニケーションパターン
世の中にはたくさんの人がいます。 人間関係を築くときに、ある人とはすぐに打ち解けることができるのに、 別のある人とはうまく打ち解けない場合があります。これは何故でしょうか。
じつはここにも自我状態がかかわっています。たとえば山登りをしているときに、ぁー、素敵な景色だなー」とあなたが感動しているときに、 友人が「ほんとに素敵ねー」と言ってくれればコミュニケーションは保たれます。これを「相補的交流」といいます。
しかしそこで友人が「ここは標高1500メートルで、かつて松尾芭蕉も登山したことで有名な……。」などと言われたら興ざめしてしまいます。これはあなたがCの自我状態のときに、友人がAで返した例です。これを「ズレのある交流」といいます。
このようにコミュニケーションにはお互いの自我状態によって、スムーズに行く場合と行き違いになる場合があります。 代表的な交流パターンを3つ紹介します。
スムーズな交流(相補的交流)
FC⇔FC :「大好き」⇔「私も好き」
A⇔A :「あれは何という山ですか」⇔「御嶽山です」
CP⇔CP :「今度の新人は仕事が遅くて困ったものだな」⇔「まったく困ったものです」
うまくいかない交流
A. ズレのある交流
FC⇔A: 「このお肉美味しいっっ!」⇔「松坂牛は不飽和脂肪酸が豊富であり…。」
B. 交叉的交流
FC⇔CP: 「この前観た映画サイコーだったなー」⇔「そんな暇があったら、子供を見てて!」
C. 裏面的交流
A⇔A/社会的交流(CP⇔AC/心理的交流): 「お隣のご主人はボーナス100万円だそうよ。2階のご主人も150万円だって。」 ⇔「…」
コミュニケーションの原則
原則1.ベクトルが平行であればコミュニケーションは持続する。
原則2.ベクトルが交叉するとコミュニケーションは中断する。
原則3.裏面的交流は心理的交流を見極めることでコミュニケーションが成り立つ。
このように私たちのコミュニケーションには、自我状態によってスムーズに行く場合とうまくいかない場合があります。相補的で愛情のある交流が、私たちの人間関係を豊かにしていくのです。