東洋医学の診断法「四診」
自律神経が乱れたときの東洋医学の所見
自律神経が乱れたときに、東洋医学ではどのように評価するのでしょうか?
東洋医学では「四診」といって四つの診察法があります。すなわち望診(ぼうしん)、聞診(ぶんしん)、問診、切診(せっしん)です。
東洋医学の望診
望診は現代医療の視診に相当します。顔色、目の動き、口の動き、舌の状態、応答のときの様子、腫脹の有無、アライメントの歪みなどを目で見て確認します。
自律神経が乱れているときは顔色が悪く蒼白いか逆にのぼせて赤ら顔の場合もあります。また動作がどこか硬く、滑らかさがありません。
目に力がなかったり、逆に眼光が強すぎる場合があります。また舌も赤みが強過ぎたり、反対に白く浮腫んでいたり、乾き過ぎていたりします。
東洋医学の聞診
聞診は声の音声を聞いたり、臭いを確認することです。体調が悪いときや精神的に萎縮しているときは声が小さくなります。
自律神経が乱れている場合は声が小さいことが多いですが、非常に早口になる方がいます。また声枯れがあれば喉に緊張があることが疑われ、神経症による喉のつまり感などを確認していきます。
もちろんお酒やタバコの摂り過ぎ、声の使い過ぎ、喉頭炎、喉頭がん、反回神経の問題なども念頭においています。
東洋医学の問診
問診は症状がいつから、どこが、どのように、どんなときに起こったか、またどのようなときに楽になり、あるいは悪化するのかを訊ねます。
さらに出生の状況や幼少期の健康状態、青年期、成人期の様子などを順次訊ねます。
この問診によってかなりのことが分かります。出生時の問題で幼少期から自律神経が乱れやすかったり、事故や手術による外傷によって体調が大きく変化したことなどが分かります。
切診はいわゆる触診のことで、脈診、腹診、背診、手足の経絡診などがあります。自律神経が乱れたときの切診の特徴は次回述べていきます。