稲森 英彦 Hidehiko INAMORI
プラナ松戸治療室代表
【略歴】
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。
1998年に鍼灸師資格を取得後、心療内科に勤務。
2005年に自律神経系・心療内科系鍼灸院のプラナ松戸治療室を開設。
現在(2024年)臨床歴26年。
自律神経、内臓、骨格を整える鍼灸治療です。
ストレス性疾患、過呼吸、動悸、吐き気、めまい、頭痛、喉のつまり感、不眠、慢性的な首・肩・腰の痛み、慢性疲労、原因不明の不妊症、目の疲れ・痛みなどに。
現代医学、東洋医学、心理学の視点から総合的な健康相談をご提供いたします。
詳細はコチラプラナ松戸治療室の症例集です。めまい、息苦しさ、動悸、頻尿、聴覚過敏、不妊症、首の痛みなど。
詳細はコチラご予約、ご相談、ご質問などはこちらのフォームをご利用下さい。
久しぶりの都会の夜。
クリスマス間近で、
街は色とりどりのイルミネーションで彩られていた。
写真は表参道。美しい光の路が続く。
暗闇に光が灯されると、安心感や高揚感を覚えるのは何故だろう。
それは太古の昔、
暗闇に怯えて生きていた人類の記憶。
光は炎。
それは太古の人類にとって、生きる希望だったに違いない。
私たちのDNAに刻まれたその記憶が、甦るのかもしれない。
プラナ松戸治療室
赤ちゃんが自分の顔をタオルに擦りつけて、痒みに耐える姿。
真っ赤になった頬――
痛々しい限りだ。
いつもそばで見ている親御さんも、さぞ辛いだろう。
しかし大人のアトピーと違って、治療がうまくいった時には、
赤ちゃん特有のツルツルした、とてもキレイな肌に戻る。
今日最終治療を行なった赤ちゃんも、初診の時は頬を真っ赤にし、
お腹や足までアトピーが広がっていたが、今日はツルツルお肌だった。
ステロイドからもうまく離脱できて、無事に当治療室を卒業だ。
乳児のアトピーの原因には、アトピー素因や環境、
食物アレルギーなどが上げられている。
また生まれ月によって、発症率が大幅に偏っていることが知られていて、
7月から12月生まれで全体の70%を占めるのだ。
これは季節性アレルギー(スギ花粉など)との関連が示唆されている。
ところで東洋医学では体の歪みとエネルギーの停滞に注目する。
アトピーの乳児を診ると、頭部や頸部、胸部などが歪み、
エネルギーが停滞していることがある。
この状態がリンパシステムを阻害し、
アトピーを発症させている一因となっているのである。
何故、赤ちゃんの体が歪んでしまったのか?
それは出産時のダメージが残ったからである。
赤ちゃんは、狭い産道を通って外界に出てくるが、
柔軟で弾力性のある体は、普通はその影響を残さない。
しかし妊娠時や出産時に問題があった場合に影響が出ることがある。
例えば悪阻が酷かった、妊娠時に強い精神的ストレスに晒された、
出産に時間がかかったなどだ。
その影響で赤ちゃんの体が弱ってしまうのである。
具体的には、体の冷えと弾力性の低下という形で現れる。
その結果、産道を通った時のダメージが頭部や頸部、胸部などに残ってしまい、
体が歪み、リンパシステムを阻害してしまう。
今日診た赤ちゃんもそれらの部位に歪みがあった。
簡単な小児整体で歪みが取れると、体に温もりと弾力性が回復し、
停滞していたエネルギーが流れ出した。
そしてツルツルお肌に戻っていったのである。
アトピー素因や食物アレルギーなどは大切な要因だ。
しかし体が冷え、弾力性が低下することによる身体の構造的な歪みや
エネルギーの停滞なども考慮にいれる必要がある。
しかし注意点はそれだけではない。
赤ちゃんは自我がまだ外界と分離していないという特徴を持つ。
つまり外界で起こることの全てが、自分のことなのだ。
したがって親兄弟や、住環境の影響を強く受ける。
外界に不協和がある時、赤ちゃんにとっては強いストレスになり得る。
それがリンパシステムを阻害し、アトピーを悪化させる要因にもなるのである。
そのような点にも注意が必要である。