私たちは日々自由に考え、行動しているように感じています。
しかし私たち自身をよく観察してみると、
同じようなパターンで思考し行動を取っていることが分かります。
じつは私たちの思考は、あるパターンに基づいているのです。
これを心理学では「スキーマ」と呼んでいます。
平たく言えば心の癖であり、習慣です。
私たちの頭の中では常に「おしゃべり」をしています。
これを「自動思考」といいますが、
この自動思考も私たちのスキーマに基づいているのです。
ところでこのスキーマが問題になることがあります。
例えばうつ病では、抑うつ的で否定的なスキーマを持っており、
「どうせ失敗する」「将来は真っ暗だ」「人から嫌われている」
などの自動思考が頭に浮かびます。
このスキーマを変えないと、薬で症状を抑えたとしても再発しやすいのです。
うつ病ではなくても、
社会的に不都合なスキーマを持っている人は沢山います。
人間関係や仕事で悩んでいる方には、
それらが上手くいかなくなるスキーマを持っている可能性が高いのです。
ではどうすればスキーマを変えることができるのでしょうか?
それには、まずそのスキーマに気がつくことです。
自分自身の心の癖に気がつくことができれば、
それを変化させることができます。
癖に気がつかなければ、変えることはできません。
「気がついた」時点で、もはやそれは癖ではありません。
癖とは無意識的な反応だからです。
意識的になり、それに気がついたら、
より合理的な思考に変えればいいのです。
しかし場合によっては、癖に気がついているにもかかわらず、
変化させることができないことがあります。
それは変化させることができないのではなく、変化させたくないのです。
癖とは無意識的な反応ですから、
それに気がついているのに同じことをするのは、もはや「選択」です。
その選択をするのには、心の奥底に隠れた理由があるのです。
それを心理学ではコア・ビリーフ(中核的信念)と呼んでいます。
心の深奥に眠る、私たちの信念体系です。
それが私たちの変化を拒んでいるのです。
それはどのような信念でしょうか?
それを知るには、まずはスキーマを見つけることです。
そして、もしスキーマを変化させようと努力しているにも関わらず、
変化できない場合は、どのようなコア・ビリーフが潜んでいるか考えてみましょう。
そのスキーマを守ることによって、あなたにどのような利益があるか考えてみるのです。
コア・ビリーフは、ショッキングな内容のこともありますが、
それに気がつくことができれば、あなたは変わることができるでしょう。
心の操縦法を身に付け、より良い人生を楽しんで下さい。
プラナ松戸治療室