四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は、放っておけば治ると思われがちですが、実は適切な時期に適切なアプローチをしないと、回復が遅れたり可動域が制限されたりすることも少なくありません。
今回は、五十肩の経過を3つのステージに分け、それぞれの時期に合わせた治療法、そして「なぜ鍼灸治療が効果的なのか」を解説します。
五十肩の3つの経過ステージ
五十肩は、一般的に「炎症期」「拘縮(こうしゅく)期」「回復期」の3つの段階を経て回復に向かいます。
1. 炎症期(発症〜約2、3ヶ月)
痛みが最も強く、何もしていなくても疼く(安静時痛)や、夜に痛みで目が覚める(夜間痛)が特徴です。
* 状態: 肩関節の袋(関節包)に強い炎症が起きています。
* 治療のポイント: 「安静」と「消炎」。無理に動かさず、炎症を抑えることが優先です。
2. 拘縮期(約3ヶ月〜6ヶ月)
激しい痛みは落ち着いてきますが、肩が固まって動きが悪くなる時期です。
* 状態: 炎症のダメージにより関節包が縮み、癒着して「フローズンショルダー」と呼ばれる状態になります。
* 治療のポイント: 「温熱」と「可動域の改善」。痛みの出ない範囲で少しずつ動かし始めます。
3. 回復期(約6ヶ月〜1年以降)
肩の動きが徐々にスムーズになり、痛みがほとんど消失していく時期です。
* 状態: 組織の柔軟性が戻り始めます。
* 治療のポイント: 「積極的なリハビリ」。筋力を戻し、以前の可動域を取り戻します。
ステージ別:鍼灸治療の役割
鍼灸治療は、西洋医学のリハビリや薬物療法と非常に相性が良く、回復を早めるサポートができます。
| ステージ | 鍼灸のアプローチ | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 炎症期 | 痛みのゲートコントロール、消炎のツボ(曲池など)への刺激 | 夜間痛の緩和、鎮痛効果による睡眠の質向上 |
| 拘縮期 | 深部の筋肉への刺鍼、温灸による血流促進 | 筋肉の緊張緩和、関節の可動域拡大 |
| 回復期 | 全身のバランス調整、弱った筋肉への電気鍼刺激 | 再発防止、肩甲骨周りの機能回復 |
なぜ鍼灸が選ばれるのか?
五十肩の痛みは、肩の深い場所にあるインナーマッスル(回旋筋腱板)で起きていることが多いです。マッサージでは届きにくい深層の組織に対して、鍼は直接アプローチできるのが最大の強みです。
Point: 炎症期に無理なストレッチをすると逆効果ですが、鍼灸なら「触れられるのも痛い」状態でも、手足のツボを使って遠隔的に痛みを和らげることが可能です。
結びに:早めのケアが完治への近道
五十肩は「いつか治る」と我慢しがちですが、放置すると肩が上がらないまま固まってしまうリスクもあります。
今の自分の肩がどのステージにいるのかを見極め、適切なケアを組み合わせていきましょう。鍼灸は、あなたの肩が再びスムーズに動くための強力なサポーターになります。
「私の肩の痛み、今はどの時期?」と不安な方は、まずはチェックから始めてみませんか?
具体的なセルフケア方法や、あなたの症状に合わせた鍼灸の通い方について詳しくご提案させていただきます。

