40代の女性。3ヶ月前から新しいアルバイトを始めました。ところが職場に、いわゆる“新人いじめ”をする人がいて、シフトが重なるたびに意地の悪い対応をされてしまうそうです。
最初は「我慢していればそのうち慣れる」と思っていたものの、次第に体調が悪くなり、背中のこわばりや痛み、首から肩にかけての重苦しさを感じるようになりました。
体を診てみると、背中の胸椎8番・9番の隔兪・肝兪あたりが硬く緊張していました。このあたりは交感神経や体液の循環と深く関係しているため、悪化すると息苦しさや寒気といった症状も出やすくなります。
鍼灸治療では、背骨の各椎骨のバランスを整えていきます。治療を行った後は、体のこわばりが和らぎ、「本当に楽になった」とおっしゃっていました。
「いじめ」と聞くと子どもの世界を思い浮かべるかもしれませんが、実際には、大人の社会でもいじめによって心身に不調をきたしている方が多く、当治療室にも多くの成人の方が相談に訪れます。
いじめをする人は、心の中に怒りや悲しみを抱えていることが多く、幸せな人は他人を傷つけたりはしません。つまり、いじめとは感情の発散なのです。
また共感性の欠如を特徴とする自己愛型パーソナル障害や反社会的パーソナル障害(サイコパス)が隠れているケースもあります。
いずれにせよ関わらないことが最大の対処法とも言えます。
アルバイトであれば辞めるという選択肢もありますが、家族を支える大黒柱として働いている場合、簡単には逃げられないのが現実です。
だからこそ、心と体のバランスを整える手段として、鍼灸治療のようなセルフケアを取り入れることも、有効な対処法の一つです。