40代の男性。昨年の春頃から両ふくらはぎに違和感を感じ始め、徐々に悪化し、歩行が難しくなるほどの状態になってしまいました。
その後、筋膜性疼痛に特化した鍼灸院でトリガーポイント鍼治療を受け、痛みが改善し、歩けるようにはなりましたが、ふくらはぎの硬さやツッパリ感といった違和感が残り、治療を継続しても完全には解消しませんでした。
そのような中、当治療室を利用している兄弟の勧めで、当治療室にお越しになりました。
この方は、運転手として働いており、神経を酷使する環境に加えて、過去に下腿の骨折を経験されています。
当治療室の脊椎鍼灸療法の考え方では、下腿三頭筋やアキレス腱は脳の影響を受けやすく、過度な思考や目の酷使による神経系の負担が筋肉の緊張を引き起こすと考えています。
今回のケースでは、運転手として目を酷使し、神経系に負荷がかかり続けていることが、ふくらはぎの違和感改善の妨げとなっていると考えました。
実際に体を観察すると、神経系に負担がかかっている様子が確認できました。
そこで、脊椎鍼灸療法で神経系を整え、あわせてふくらはぎの筋膜に対する処置を行ったところ、初回の施術で違和感が大幅に改善し、2回目の施術後にはほとんどの違和感が消失しました。
治療後の説明時に神経系への負担についてお伝えしたところ、この方は以前にうつ病を経験されていたことがわかりました。うつ病を経験した方は神経系が乱れやすい傾向があり、今回のふくらはぎの違和感が改善しにくかった一因であった可能性も考えられました。