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《月経リズムと女性疾患》月経前症候群 PMS・月経前不快気分障害 PMDD・月経困難症・不妊症・不育症・子宮内膜症・卵巣嚢腫・乳腺症など


◼︎女性の健康は月経リズムに影響される

月経前や月経中、月経後に体調を崩す女性は多く、ほとんどの女性が何かしらの問題を抱えています。東洋医学の世界では「女の病は子宮で治せ」と言われるほど女性の健康に子宮・卵巣などの生殖器は大きな影響を与えています。そのため男性と女性とでは全く異なった観点から診察します。女性の体は月経による体の変化を中心に診ていくのです。

 ◼︎東洋医学でみる月経リズム〜甲状腺・乳腺・卵巣の連携〜

月経は甲状腺・乳腺・卵巣の連携で起こります。月経が始まる1〜2週間前から甲状腺に関係する体表に変化が起こります。その後、乳腺に変化が移り、最後に卵巣へと至ります。こうして卵巣が刺激を受けると骨盤が開き月経が始まるのです。

月経が始まる直前に一度骨盤が締まりますが、その後骨盤が開き月経血が排出され始めます。最大限に骨盤が開くのは2日目でこの時月経血が最大になります。その後2〜3日で骨盤が締まり始め、完全に骨盤が閉じたところで月経が終了します。この一連の流れのどこかに滞りがあると、女性の心身に異状が出てくるのです。

 ◼︎なぜ月経リズムが乱れるのか?

月経リズムを乱す原因には頭の使い過ぎ、目の使い過ぎ、精神的ストレス、冷えなどがあります。近年の女性は男性と同等以上に働いています。頭脳をフルに使いストレスがとても強い状態です。またパソコンやスマートフォンなどのデバイスの普及で、長時間モニターを見ることも一般的になりました。そのせいで目がとても疲労しています。

このような状態ですと頭蓋骨がとても緊張してしまいます。頭蓋骨と骨盤は連動していて、頭蓋骨が硬いと骨盤も弾力を失います。すると骨盤が柔軟に開かなくなります。そのため月経がスムーズに起こらなくなるのです。

また骨盤の異状は乳腺や甲状腺にフィードバックされます。そのため甲状腺や乳腺が過剰に働くことになり、乳腺の痛みや乳腺炎が引き起こされます。また甲状腺の働き過ぎで精神的なイライラや気分の落ち込みが起こります。甲状腺は交感神経と関係が深く、交感神経が過剰に働くことで頭痛や胃痛、吐き気などの身体の症状が現れるのです。

 ◼︎月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)・月経困難症なども月経リズムの異状

このような状態ですと病院で診察を受けると月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)・月経困難症などと診断されるでしょう。しかし東洋医学でみると月経リズムに問題が発生している状態なのです。

女性のあらゆる問題、例えば頭痛、胃痛、吐き気、腹痛、イライラ、気分の落ち込み、腰痛、肩こり、不妊症、不育症、子宮内膜症、卵巣嚢腫、子宮筋腫など、どのような症状でも同じです。まずは月経リズムの異状を見極め、原因が特定できたらそれを解消するようにします。多くの場合はこれで症状が回復していきます。ですから東洋医学には「女の病は子宮で治せ」という言葉が残っているのです。

男性の体には、このような毎月のダイナミックな動きはありません。ですから胃痛であれば胃やストレスに関連する部位を、咳があれば呼吸器に関連する部位を診れば事足りることが多いのです。男性の体は女性に比べるととても単純なのです。

 ◼︎月経時の過ごし方

月経のリズムが女性の健康に大きく関係していることから、月経時に無理をしてはいけません。特に目の酷使、頭の使い過ぎ、手指の使い過ぎ、精神的ストレス、食べ過ぎ、足腰の冷え、洗髪、歯科治療には気をつけましょう。これらは子宮を緊張させ、月経リズムに異状をもたらします。なるべくポカンとして頭を緩ませ、体をリラックスさせて冷やさないことが大切なのです。

 ◼︎腰湯のススメ

私たちの体は1年を通してダイナミックな開閉の身体変化を起こしています。これまで述べてきたように女性はひと月の間にもこのダイナミックな開閉のリズムが起こっているわけです。

 3月というのは1年の身体変化の中で骨盤が開く時期です。もし骨盤が硬くて開かないと、腰痛や腹痛、下痢、生理痛などが現れてきます。このような時は腰湯をすると骨盤に柔軟性が戻り体調が回復します。

腰湯のやり方ですが、湯船にオヘソが隠れる位までお湯を張ります。こうすると骨盤が全てお湯の中に納まります。お湯の温度は普段よりも2-3度高く、熱いと感じる温度です。気持ち良い程度では温度が低過ぎます。時間は6-10分間。腰湯を何度か繰り返すうちに骨盤に弾力性が戻り、骨盤が開くようになります。身体の症状も治まってくるでしょう。

女性にとって月経リズムはとても重要です。日頃から体を冷やさない、なるべくリラックスするなどを心がけて、月経リズムが乱れないようにしましょう。