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怒りの感情を解放するワーク《ジベリッシュ》


◼︎怒りの抑圧は心身に悪影響を及ぼす

何か嫌なことを経験した後に、吐き気や胃痛、頭痛、肩こりなど、さまざまな症状が起こることがあります。ご本人は嫌な目に遭ったことと現在ある症状との間に因果関係があると考えていない場合が多いのですが、改めてそれを指摘すると皆さん納得されます。

とくに怒りの感情をたびたび抑圧してきた場合では、強烈な症状が出ることが多いようです。よくあるケースは職場での同僚や上司に自尊心を傷つけられるような言葉や態度を取られ、そのことに対して反論できずに黙ってしまった場合です。わだかまりを抱えたまま日々を悶々と過ごす中で、次第に体調が悪くなっていきます。

◼︎怒りは莫大なエネルギーを持つ

このように自分の意見を言えないタイプの方は怒りの感情が心の中に溜まっていることが多く、その怒りのエネルギーが体を緊張させてしまいます。

怒りのエネルギーを抑圧することは、例えていうとプールの中にボールを沈ませるようなものです。心の底に怒りを押し込めれば押し込めるほどその浮力は強くなります。本当は怒りを表現して外に出したいという大きな浮力のエネルギーが体を緊張させるのです。また精神的にもイライラし、ふとした時に怒りが湧き出てきます。怒りを抑圧することは心身ともに悪影響を与えるのです。

幼少期から父親や母親などの養育者との関係で問題があった場合にも長期間にわたり怒りを抑圧することがあり、それが後にリストカット、拒食症、過食症、うつ病、パニック障害、離人症、パーソナリティー障害などをもたらすことがあり深刻です。

◼︎怒りを解放するワーク《ジベリッシュ》

怒りを解放するワークにはさまざまなものがありますが、今回は「ジベリッシュ」と呼ばれるイスラーム神秘主義スーフィーに伝わる方法をご紹介します。

やり方はシンプルです。第一段階として10〜15分間、「言葉にならない言葉」で怒りを表現します。「言葉にならない言葉」とは、意味をなさない適当な音で、例えば赤ちゃん言葉のような「ばぶばぶ」で表現してもいいですし、適当な宇宙語を創作して「#$#?◼&%▲$#!&●%$#」のように表現しても構いません。とにかく「意味をなさない」ことが大切なのです。

私たちの言葉は一般化されており、何かしらの概念が言葉には与えられています。しかし私たちの感情が言葉の概念と一致しているとは限りません。例えば「お前なんか大嫌いだ」と言葉で表現したとしても、その言葉が心の中の怒りを完全に表現していないことがあるのです。

「意味をなさない言葉」を使うのは、心の中の怒りのエネルギーを言葉がもつ概念に拘束されずに表現させるためです。「意味をなさない言葉」を使用することで言葉の概念に拘束されずに、ストレートに怒りを表現することができます。またこのとき身振り手振りを用いて、激しく体全体を使って、全力で怒りを表現することも重要です。

第二段階として10分〜15分間大の字になって床に寝るか座禅のように座ります。そして嵐の後にやってくる静寂に身を任せます。このとき深い深い安らぎと解放感が訪れます。

以上がジベリッシュのやり方です。これを何度か続けることで心の中の怒りの感情が解放されます。しだいに心身の不調も快方に向かうことでしょう。

ジベリッシュは大声を出し、また全身を激しく動かしながら怒りを表現しますので、自宅で行うか、カラオケ店など大声を出せて人目に触れない場所で行うと良いでしょう。またジベリッシュを行う際は、アフリカのリズミックな音楽をかけながら実践すると良いようです。心のプライマルな層が刺激され、怒りが出しやすくなります。