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東洋医学の世界2 ~気の異状の見つけ方~


 東洋医学では、人体の「気」の流れに異常が生じたとき、人は病になると考えますが、では具体的にどのようにして、その「気」の異状を知ることが出来るのでしょうか?

 東洋医学の世界には「四診」という言葉があります。
 「四つの診断法」ということですが、それには「望診」、「聞診」、「問診」、「切診」があります。

 「望診」は、「望」と書くように、視覚を通して「気」の異状を知る方法です。
 顔色やツヤ、表情、目つき、姿勢、動作などを観察します。
 例えば、頭部まで十分に「気」が巡っていなかったら、顔色は悪く、ツヤはなく、また思考などもよく働きません。あるいは、頭部に「気」が滞り偏っていれば、顔色は赤く、目は充血し、精神的にもイライラしているかもしれません。

 「聞診」は、聴覚や嗅覚を通して「気」の異状を知る方法です。
 呼吸音、発声の仕方、発語、口臭、体臭などを観察します。
 例えば、声がとても小さい方は、全身の「気」の量が少なく、生命力が弱くなっている状態かもしれません。また、呼吸が多く、途切れてしまうような場合は、「肺の蔵」に問題があることを伺わせます。

 「問診」は、問いかけと応答により「気」の異状を知る方法です。
 その内容は、現在の病についてはもとより、幼いころの体質やこれまで罹ったことのある病、事故歴などを細かく伺います。これにより患者さんの体の傾向(「気」の偏り具合)や現在の病の深さが理解でき、予後や生活上で注意しなければならない事柄などが浮かび上がってきます。

 「切診」は、触覚により「気」の異状を知る方法です。
 脈診、腹診、経絡診に大きく分けられます。

 脈診は、最近は『チャングムの誓い』でもお馴染みだと思います。患者さんの手首の脈を取っているシーンがありますよね。実はこの方法で、内臓や経絡の「気」の流れを伺っているのです。

 腹診は、全身のどこかに「気」の異状がある場合に、お腹にコリや圧痛、脈動感といった異状が現れます。皆さんも疲れているときに、お腹全体をランダムに軽く圧迫してみて下さい。きっとコリや痛みがあるはずです。体調がよい時と比べると、その変化がよく分かると思います。体調がよくなると、それらが無くなってしまうから不思議です。皆さんの体調チェックにも使えると思いますよ。

 経絡診は、全身を隈なく巡る経絡に触れて、コリ感や力の無さ、冷感や熱感などをチェックします。普通、経絡の流れに異状がある部位には、コリや痛みなどがあるものです。肩こりなどはその代表です。「タコ」や「魚の目」なども「気」が滞っている証拠なんですよ。
プラナ松戸治療室