梅雨が明けて暑い夏がやってきました。夏は湿気と共に暑さ対策が欠かせません。
今回は夏の養生法、過ごし方をまとめます。
昔よりも暑くなっている日本の夏
日本の夏は確実に暑くなってきています。東京の6月から9月の平均気温をみてみると、1901~1920年の20年分の平均値では26度を超えた日は1度もありませんでしたが、2001~2020年では26度を上回った日が4カ月間の半分を占めます。
また昨年2023年は暑い日が2001~2020年の平均値よりも多く、残暑も長引きました。最高気温では30度以上が5月17日から9月28日までに90回あり、1年間のおよそ4分の1が「真夏日」か「猛暑日」だったことになります(東京新聞)。
ここ100年で東京の夏は2.7度上昇し、1990年代後半以降は顕著に上昇しています(ウェザーニュース)。
このように日本の夏は確実に暑くなっているのです。
夏の養生法をアップデートさせる必要がある
このように夏の気温が上昇してしまうと、昔言われていたような養生法は当てになりません。
「冷房を使ってはいけない」などがその代表ですが、東洋医学や自然療法が好きな方の中には、いまだにこのような養生法を信仰している方もいます。
しかし時代が変わり気象条件も変わっていくのですから、養生法もそれに合わせてアップデートする必要があります。
当然冷房は使うべきで、必要な水分を摂りながら過ごすことが大切です。一般的な熱中症対策を取るべきです。
もちろん冷やしすぎることはよくありませんが、その場合は足湯などで冷えを取りましょう。
夏は呼吸器に負担がかかる
夏は呼吸器に負担がかかります。体に汗腺のない犬は口でハアハアと呼吸(パンティング)をしながら体内の熱を調整していますが、外気に熱気と湿気が高い夏は呼吸器に大きく負担がかかります。
人間の場合は呼吸の他に、汗腺からの発汗で体温調整が可能です。しかし呼吸器が弱い体質の方は健康な方に比べて、体力を消耗してダルさや疲れを感じやすくなります。
また呼吸器と共に働く腎臓の弱い方、また心臓の弱い方も夏は厳しい季節です。食欲が低下してダルさを感じる、いわゆる夏バテを起こしやすくなります。
具体的な夏の養生法
以下に夏の養生法をまとめます。
・冷房を使い適切な室温の中で過ごす。
・涼しい環境の中で体を動かし、汗を出して放熱する。
・汗はしっかり拭う。
・発汗した分の水分と塩分はこまめに補給する。
・冷たい飲食を控える。
・食べ過ぎない。
・日中の外出時は日傘、帽子、サングラスは必携。
・一日の終わりに湯船に浸かり発汗させる。
夏の養生法の要点は、熱気と湿気対策です。
涼しい環境で発汗させて熱を体内に籠らせないこと、
そして発汗した分の水分と塩分を摂ることが大切です。
体を動かすことに関しては、スーパーやショッピングモールなどの
管理された室温の中で、歩いたり階段を昇降するなどがいいでしょう。
梅雨同様、腎臓や呼吸器の弱い方、加えて心臓の弱い方は蒸し暑さに弱いです。
養生法を上手に取り入れながら夏を乗り切ってください。