今年の診療最終日は12/29(火)ですが、全ての予約枠が埋まりましたので、
少し早いですが年末のご挨拶をさせて頂きます。
心理カウンセリングが多かった2015年
今年一年を振り返りますと、心理カウンセリングがとても多かったように思います。
例えばうつ病では過労から発症しているタイプは、鍼灸治療で体を整えるとかなり回復します。
しかし精神的な問題から発症された方は、やはり心理カウンセリングが必要になります。
抑圧された怒りや悲しみなどの力動的なエネルギーが症状を生み出しているからです。
このエネルギーを解放しないと、鍼灸で体を整えて良くなったと思っても、また症状が出てきてしまいます。
症状としては、何もやる気が起こらない、突然涙が出てくる、なるべく家から出たくない、
どこが辛いというわけではないが体調が悪い、などがあります。
過去の精神的な傷がこのような症状を引き起こしていることが多々あるのです。
ですから心理カウンセリングが必要になります。
ネグレクトと過干渉の問題
心理カウンセリングで親から受けたネグレクトや過干渉は非常に多いテーマです。
この問題は世代連鎖が起こっていることが多く、
ネグレクトや過干渉をする親自体が同じ精神的な傷を持っています。
そのことで問題をより複雑にしているのです。
幼少期にそのような問題があると、子供はありのままの自分では親から愛されないと感じて、
愛してもらおうと必死の努力をするようになります。
行儀良くしたり、良い成績を取ったりして優等生を演じる子供もいれば、
ダメな自分を演じて親の関心を引こうとする子供もいます。
いずれにせよ心の奥にはありのままの自分でいてはいけないという信念が生まれます。
そしてその信念の奥に自分を否定された怒りがあり、さらにその奥には深い悲しみがあるのです。
本当の自分でいることができないわけですから、当然その後の人生は辛いものになります。
自分の人生なのに、どこか他人の人生を生きているような感じがするのです。
ですから何もやる気が起きなくなったり、突然悲しくなったり、体調が悪くなったりするのです。
カウンセリングでこのような心の傷に気づき、折り合いをつけていくことによって、
人生を再構築することができるようになります。
このような過程は時間をかけることが必要で、短期間で改善させようとすることは危険です。
その際、怒りや悲しみの解放がとても大切になります。
いじめ体験による心の傷
親子問題の次に多いテーマは幼少期のいじめ体験です。
親子問題とも共通しますが、人はありのままの自分を認めてもらいたいものです。
いじめはそれを踏みにじられる体験です。
やはり心の奥には強い怒りと深い悲しみが抑圧されています。
このようなテーマにも支持的なカウンセリングはとても重要な役割を果たします。
今年を振り返ると、このようなテーマのカウンセリングがとても多い年でした。
アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
鍼灸治療に関しては、今年は重度のアトピー性皮膚炎の患者さんを多く治療しました。
鍼灸をすると重度のアトピーでも8〜12週でかなり改善されて正常な柔らかい肌になります。
アトピー性皮膚炎の治療で大切なのは、食事の改善と過渡期(半陰半陽期)の過ごし方、
そして精神的な気づきです。
これについては別の機会に改めて書きたいと思います。
さて来年は1/5(火)から診療が始まります。
来年も鍼灸治療と心理カウンセリングで皆様の体と心をサポートさせて頂きます。
今年と同様に宜しくお願い致します。
2016年が皆様にとって良い一年でありますように、心よりお祈申し上げます。
プラナ松戸治療室
代表 稲森 英彦