うつ病は近年大変増えてきた病気のひとつで、社会問題化しています。
以前は女性に多い疾患であり、男性の約2倍といわれています。この原因として女性は妊娠や出産などで女性ホルモンが大きく変化する時期があり、この肉体的変化が大きな精神的ストレスになること、また結婚後、環境の変化、育児、社会との関わりが希薄になることで、精神的ストレスが蓄積され易いことなどが考えられます。
しかし最近は男性のうつ病が増えています。この理由として、仕事環境の変化、リストラ、慢性的なストレス状態などが上げられます。
うつ病に罹るひとは、真面目で完全主義、几帳面なひとが多く、仕事をひとに任せられない、ひとの評価に敏感、融通が利かないなどの特徴があります。このため孤独になり易く、ストレスを溜めやすい傾向にあります。
症状は精神面だけでなく、身体面にも現れます。
精神面では、やる気が出ない、集中できない、ひとに会いたくない、ある事柄が頭から離れない、自殺企図などが現れます。また身体面では、不眠、体が重い、息が苦しい、体の痛み、腰痛、肩こりなど多岐に渡る症状が現れます。
治療は、まずゆっくりと休養することが最も重要とされています。ストレスの原因から離れ心身ともにリラックスすることが大切なのです。それと共に医学的な治療を行ないます。
東洋医学でうつ病の方の体を診ると、精神的ストレスのために体の芯の冷えが甚だしく、頭部や首、肩など体の上部が大変緊張しています。
頭が重い(痛い)、肩が凝る、目が疲れるなどの症状が出るのはそのためです。
またミゾオチが硬く、痛みが出ている場合があります。まさに「胸が詰まる」状態になっているのです。
さらに腰や下肢など体の下部は冷えて、痛みや重苦しさが出ていることがあります。
これらの苦しい身体状態がさらに精神状態に悪影響を及ぼし、悪循環を形成しています。
鍼灸療法を受けると体の緊張が取れ、まずはよく眠れるようになります。そして上記の様々な身体症状が楽になっていきます。
また一般的には良く知られていない事ですが、鍼灸の優しく柔らかな刺激は大脳にも良い影響を与え、精神的にも楽になっていきます。
うつ病の患者さんが鍼灸療法を受けた後に「まるで頭の中を覆っていた霧が晴れたようだ」と表現されることがありますが、そのことをよく表しています。
プラナ松戸治療室 http://prana502.hp.infoseek.co.jp/