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【自己免疫と鍼灸治療】潰瘍性大腸炎との向き合い方


潰瘍性大腸炎を抱えながら大学で学ぶひとりの学生さんがいます。

彼は以前から、大腸と関わりの深い腰椎4番を整えることで、腹痛や下血が落ち着いていました。ところが、ある日、仲間たちと焼肉を楽しんだ後、再び下血とともに強い寒気に襲われました。

体を診てみると、肝臓が腫れており、その影響が腸に負担をかけていたようです。今回は、肝臓とつながりのある胸椎9番と、腸と関係の深い腰椎4番を中心に丁寧に調整しました。

きっとこれで、身体もまた静かに整ってくれることでしょう。

潰瘍性大腸炎は、免疫の仕組みが本来守るべき腸の粘膜を誤って攻撃してしまう、自己免疫疾患のひとつと考えられています。

一度できた自己抗体は消えることがなく、完全に「治る」ことは難しいとされています。けれど、鍼灸によって炎症を静め、症状のない穏やかな時間を取り戻すことは可能です。

肝臓が疲れると、体内の毒素がきちんと処理されず、腸にも影響が及んでしまいます。だからといって、すべての「負担になる食べ物」を禁じてしまうのは、あまりにも寂しいことです。

気の合う仲間たちと笑い合いながら食卓を囲む。たとえ少し体に負担がかかったとしても、そんな時間は、人生においてかけがえのない宝物です。

多少の無理をしてでも、そんな青春のひとコマを大切にしてほしい。

そう願いながら、身体の声に耳を澄ませつつ、病と折り合いをつけながら過ごしていくことの大切さを、あらためて感じました。