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【徹底比較】糖尿病食事療法:山田悟医師の「ロカボ」と糖尿病学会の違い ~誰のための食事か?そして何をどう食べるべきか~


糖尿病治療において食事療法は極めて重要です。しかし近年、「何をどのように食べるべきか」については医師や学会によって方針が分かれてきています。

中でも注目を集めているのが、山田悟医師が提唱する「ロカボ(緩やかな糖質制限)」。一方で、日本糖尿病学会(JDS)や米国糖尿病学会(ADA)は長年にわたり、標準的な医療ガイドラインを提示してきました。

ただし、ここで注意すべきなのは――学会のガイドラインは「糖尿病患者向けの医療指針」であり、健康な一般人向けではないという点です。

✅ 1. 山田悟医師の「ロカボ」は誰のための食事か?

山田医師は「ロカボ」を糖尿病患者から健康な一般人まで広く推奨しています。その理由は、現代人の食生活が糖質に偏っているという問題意識からです。

● ロカボの基本ルール(糖質・脂質・タンパク質の摂り方)

栄養素 推奨内容
糖質 1食あたり20~40g、1日合計70~130gに抑える。間食は10g以下。
脂質 制限せず。「質」を重視。不飽和脂肪酸を積極的に。
タンパク質 十分に摂取。肉・魚・卵・豆類など。

📌「ロカボは“おいしく楽しく続けられる”糖質コントロール。栄養の偏りは起こさず、むしろ代謝を改善できる」
ー 山田悟医師

✅ 2. 日本糖尿病学会(JDS)の食事療法は医療目的

JDSが推奨するのは「エネルギー制限中心のバランス食」です。

● JDSの基本方針(食品交換表・ガイドラインより)

栄養素 推奨内容(例:1日1,800kcal)
糖質 総エネルギーの50~60%(225~270g)
脂質 20~25%。飽和脂肪酸を控える。
タンパク質 15~20%。腎機能に応じて調整。

📘出典:『糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版』

✅ 3. 米国糖尿病学会(ADA)の考え方は「個別化」

ADAは「一律ではなく個別化」を重視。患者の生活に応じて複数の選択肢を提示します。

● ADAの基本的アプローチ(2023年版)

栄養素 推奨内容
糖質 総エネルギーの45~55%。低糖質食も容認。
脂質 25~35%。質を重視し、トランス脂肪を避ける。
タンパク質 15~20%。腎障害時には調整。

📘出典:ADA “Standards of Care in Diabetes—2023”

✅ 4. 比較表:栄養素の摂り方の違い

栄養素 山田悟医師 日本糖尿病学会 米国糖尿病学会
糖質 1日70〜130g 1日225〜270g 柔軟。個別に調整
脂質 制限なし。質を重視 20〜25% 25〜35%
タンパク質 制限なし 15〜20% 15〜20%

✅ 5. 結論:自分に必要な食事法は「立場」によって変わる

  • 🔵 山田悟医師:糖尿病予防も含む生活習慣提案(一般人も対象)
  • 🔴 日本糖尿病学会:糖尿病患者向けの医療指導
  • 米国糖尿病学会:個別化された柔軟な方針

健康な一般人が学会の食事療法をそのまま真似ることにはリスクもあります。一方、糖尿病患者がロカボを行う場合は、医師と相談の上で取り入れることが重要です。

🔖 参考資料