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東洋医学の世界3 ~治療の効果~


 全身の「気」の滞りをチェックしたら、いよいよ治療に入ります。

 東洋医学では「気」の滞りを漢方薬や鍼灸、推拿、薬膳などの手段で是正しますが、ここでは鍼灸療法について説明します。

 鍼灸では、背中のツボで実質臓器等の気の滞りを調整し、お腹のツボで消化器系や泌尿器系等の気の滞りを調整します。さらに前腕や下腿のツボを使用して経絡の気の滞りを調整することが多いです。こうして全身の「気」の滞りを除き、必要があれば、それらの処置で取りきれなかった局所的な気の滞りを鍼で取ります。

 こうして全身に気が十分に巡るようになると、体は大変温まり、柔軟で活動的になります。精神的にもゆとりが生まれ、ニコニコして愉快な気分になってしまいます。周りの人々との人間関係も変化していくことでしょう。自然治癒力が高まり、病気にも罹りにくくなります。

 よく「鍼は痛いから」というお話を伺いますが、それは大きな誤解です。
 鍼師になって日の浅い治療者や性格的に荒い治療者の鍼は、確かに痛いことがあります。また患部の状態でもまれに痛み(響き)があることも事実です。しかし普通、熟練した治療者の鍼は大変気持ちがよいもので、多くの場合、患者さんはスヤスヤと寝入ってしまうものです。

 鍼灸治療の治療範囲は広く、様々な病に有効ですし、その効果も一般で知られていないのが惜しいほど高いものです。もしも多くの方が鍼灸治療にもっと目を向けたなら、日本の国民医療費は大幅に削減されることでしょう。

 現在、病で苦しんでおられる方がいらしたら、是非お近くの鍼灸院で治療を受けられることをお勧めします。そしてしばらく続けてみてください。まるで体が別の人と代わってしまったのではないかと思うほど、楽になっていくでしょう。きっと目からうろこが落ちると思いますよ。

 最近はアンチエイジング(抗老化)の面でも応用されつつあります。長い期間、治療を継続的(週1回程度)に受けてこられた方たちは、明らかに同じ年代の方と比べると若い印象をもたれます。日常での過労や精神的ストレスで気が乱れ、老化に拍車をかけているのでしょう。いつまでも若く瑞々しい肌やしなやかな筋肉を保つことにも良い影響を与えるようです。
プラナ松戸治療室