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感情と病気


wakaba

1.抑圧された感情が身体症状を生み出す

抑圧された感情は身体に様々な症状を生み出します

ある調査によれば、胃腸科で診察を受けた患者のうち74%が心因性、つまりこころが原因で症状を発症していました。

伝説的な名医ジョン・E・シンドラー博士によれば、すべての身体の病気のうち50%が、こころに原因があるといいます。

胃腸の症状だけでなく、頭痛、皮膚炎、筋肉痛、過換気症候群など、あらゆる症状が発症する可能性があるのです。

2.視床下部と脳下垂体 ―自律神経と内分泌―

こころが体に影響を与えるメカニズムで重要なものが、視床下部と脳下垂体であり、これらは自律神経と内分泌を司る重要な器官です。

精神的なストレスを受けると視床下部にその刺激が伝わります。

視床下部は自律神経を支配していて、自律神経は多くの内臓を支配しています。
そのため自律神経の乱れで、多様な症状が内臓に表れます。

心拍や血圧、呼吸機能、消化器機能、腎機能、ブドウ糖の供給など、あらゆる身体機能が乱れる可能性があるのです。

また内分泌腺も自律神経に影響されるため、ホルモンが乱れることもあります。

このホルモンの乱れは視床下部に影響しますので、自律神経を乱すという悪循環を呈するのです。

さらに視床下部の下に脳下垂体があることから、精神的ストレスの影響は脳下垂体に伝わり、内分泌が乱れるというメカニズムも働きます。

ところで脳下垂体から分泌されるACTHというホルモンは、副腎皮質に働きかけコルチゾールを分泌させます。

コルチゾールは免疫機能を抑制するため、過剰なコルチゾールの分泌は免疫力を低下させ、癌などのリスクを高めます。

3.抑圧された感情と身体各部の関係

このように精神的ストレスが自律神経や内分泌を乱して、多様な身体症状を生じさせるのです。

ところで抑圧された感情と身体各部の症状は、ある関係性があるといいます。

著名なヒプノセラピスト(催眠療法家)であるドロレス・キャノン氏によると、肩こりは「自分一人で仕事を背負っている」という感情から生じてくるといいます。

また体を支えている腰に問題がある場合は「誰からもサポートを受けられない」という感情が、また坐骨神経痛など足に問題がある場合は「変化させたい現状から、一歩前に足を踏み出すことができない」という感情が隠されているといいます。

ヒプノセラピーでこのような隠された感情に気づくと、その症状が消失するそうです。

ドロレス氏によれば、癌は怒りの感情と関係しているといいます。

4.抑圧された感情と癌

私のこれまでの治療経験でも、癌患者さんの大部分が非常に強く抑圧された「怒り」や「悲しみ」の感情を持っていました。

たとえば乳がんを患った事例では、夫の浮気が発覚し、その後体調を崩して、ある時に胸のしこりに気づいたケースや、夫からの言葉の暴力を受け続けてきた後に乳がんができたケースがありました。

また人に言えないような悩みを長年抱え続けてきた後に発症していたケースなどもありました。

上述したように、抑圧された感情は視床下部や脳下垂体に影響し、自律神経や内分泌を乱します。

また免疫機能が低下することで、体内で毎日5000個は生じているという癌細胞を排除できなくなり、腫瘍が生じる状態になったと考えられます。

5.感情を解放することの重要性

私は癌の治療でもっとも重要なことは、抑圧された感情の解放だと考えています。

もちろん癌は遺伝的要素や食事内容、発癌物質の暴露など複合的な原因で起こると思います。
しかし抑圧された感情の影響は、計り知れないと感じています。

ところで世の中には現代医学では手の施しようがないといわれた癌患者さんが、全快したというケースが稀にあります。

私が出会ったそのようなケースのほとんどが、それぞれ方法は異なりますが感情を解放した後に起こっていました。

方法としてはヒプノセラピー、祈り、ヒーリング、瞑想、臨死体験など多様ですが、結果として抑圧された感情の解放がカギになっていました。

食事療法なども癌が治癒するケースがあるようですが、食事の内容はたいへん心に影響することから、食事内容の変化が心に影響を与え、その結果、癌が快方にむかったのではないかと考えています。

インドのヨガの伝統では動物の肉の摂取を避けます。

それは動物の肉を食べることによって、人間の心が獣性の影響を受けるからです。
攻撃的になり、イライラしやすくなるのです。

このような場合、菜食主義にすると心は落ち着いてきます。
このようなことからも食事の内容が心に影響することが分かります。

6.癌が消えたある女性の話

ある年配の女性が末期がんになりました。

彼女は統合医療を行うある有名な病院に入院します。

統合医療とは、西洋医学や東洋医学、他の代替医療を取り入れた医療のことです。

その病院で様々な治療を受けますが、残念ながら彼女には効果がありませんでした。

そしてその病院の院長から、
もうあなたにやってあげられることがないから、ということで退院を勧められます。

彼女は退院し、家で覚悟を決めてただ寝ていたそうです。

しばらくしてから別の病院で検査を受けてみると、癌は跡形もなく消えていたそうです。

統合医療を行っている病院の院長にそのことを報告しに行くと、
その院長は彼女のあまりの変わりように、はじめ誰だか分らなかったそうです。

この女性のケースでは、すべての治療に効果がなく退院した時に、おそらく彼女は自らの死をしっかりと受け入れたのだと思います。

自分が完全にこの世から消えてなくなることを心の底から受け入れたとき、彼女がこれまで抱えてきた過去のしがらみや様々な抑圧された感情に意味がなくなり、それらが解放されたのではないでしょうか。

その結果、癌が消えたのでしょう。

ところで私が出会ったケースでは、このような感情の解放が起こったとき、癌は徐々に良くなるのではなく、まるで魔法が解けたかのように短時間のうちに消えてしまいます。

このような短時間で治癒する現象は、免疫力が回復して癌細胞を破壊したとは考えづらいと思います。

たぶん細胞の自殺といわれる、アポトーシスのような現象が起こっているのではないかと推察します。

以上のように、私は癌は感情の病気だと考えています。

癌の治療には、外科手術、抗がん剤、放射線治療、漢方薬、鍼灸、食事療法など様々な方法がありますが、すべて体の外から物理的、あるいは化学的に対処しようとするものです。

もちろんそのような方法も必要です。

しかし体の内側からのアプローチ、つまり抑圧された感情の解放に目を向けることも重要だと考えます。

癌の闘病をされている方の参考になれば幸いです。

【推薦図書】