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うつ病の鍼灸治療はどれくらいの期間で効果が出るのか?


うつ病の鍼灸治療の期間はどれくらいなのか?

1. 状態や状況によって変わる治療期間

うつ病で当治療室に受診される方から「どれくらい鍼灸治療を続ければ効果が出るのか?」と質問されることがあります。治療期間はケースバイケースで、うつ病の発症原因、罹患期間、重症度、現在の生活状況、年齢などで大きく変化します。

例えば発症原因には親の介護疲れや会社でのハードワークなどの過労が原因となっているケース、幼少期における親からの幼児虐待(ネグレクト、暴力など)による心の傷から発症しているケース、会社や家族の人間関係が原因となっているケース、交通事故や怪我による外傷が引き金となっているケースなどがあり、それぞれのケースで治療期間が異なります。

2. 過労性うつや外傷性うつは比較的治療期間が短い

これらの原因の内、過労が原因のうつ病には鍼灸治療がとても効果的で治療期間も短い傾向にあります。また外傷が原因となっているケースも、外傷の程度にもよりますが、比較的鍼灸治療が効果的で治療期間も過労性のうつ病に準じます。

3. 人間関係からくるうつ病は長期間の治療が必要になることも

人間関係が原因となっているケースでは、その原因が緩和できるかどうかで鍼灸治療の効果や治療期間が左右されます。また心理カウンセリングが必要になることもあり、長期間に渡ることもあります。幼少期のトラウマを抱えているケースでは、鍼灸治療は補助的に用い、基本的に心理カウンセリングで抑圧している怒りの発散や怒りの奥に隠れている深い悲しみを癒す必要があり、治療期間も年単位になります。

鍼灸治療が最も適している過労性のうつ病では5回ほどの施術で変化が出始め、10回ほどの施術で確かな変化が認められる傾向にあります。多くのケースで約3ヶ月ほどの治療期間で大きな効果を感じられています。うつ病の症状が楽になった後の治療間隔は、月に2回、月に1回と減らしていき、その後のペースはご本人の判断にお任せしています。過労性以外の心理カウンセリングが必要になるうつ病に関しては、これよりも長い治療期間になる傾向にあります。

このようにうつ病における鍼灸治療の期間は、その原因一つとっても違いがあります。実際は鍼灸治療の感受性も含めて、治療後の変化を読みながら治療期間の予測をすることがほとんどです。今回記述した治療期間を一つの目安として判断材料にして頂ければと思います。