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乳がんの鍼灸治療


◼︎東洋医学で診る乳がん患者の体の特徴

乳がんの方は胸椎に異常が出ていることが多く、特に胸椎の4番から9番の弾力が悪くなっています。胸椎の4番から9番といえば、ツボでは厥陰兪穴や心兪穴、隔兪穴、肝兪穴などがあります。これらのツボは全て感情と深く関わります。

厥陰兪穴は東洋医学の「心包」と関連し、心兪穴と共に「心」、つまり精神と関わるツボです。隔兪穴の「隔」は感情と関連の深い横隔膜のことです。また肝兪穴の「肝」は、東洋医学ではストレスの影響を最も受けるといわれる臓器です。このようなことから乳がんは感情と深く関連する病気だということが分かります。

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◼︎乳がんと冷えの関係

乳がんの方の体は、ストレスのためか全身が極度に冷えていることが多いです。体温が1度下がると免疫力が30%低下するといわれていますが、免疫力が低下すると、1日5000個できるといわれるがん細胞の除去に対応できなくなります。

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体が冷えて免疫力が低下するにしても、なぜ乳房にがんが発生するのでしょうか。それには胸椎の弾力が低下していることと関係があるようです。胸椎の弾力が悪くなると、胸郭の筋肉がそれを代替するため強張ってきます。するとその強張りのせいで胸郭周囲の血流やリンパの流れが阻害されるのです。

もともと乳房は、体幹から突出していて血流の悪い部位です。乳房が載る胸郭の筋肉が強張ることにより、乳房への血流やリンパの流れがさらに悪くなります。その結果、乳房が冷えて免疫力が極度に低下し、がんが発生すると考えられます。

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◼︎乳がんの鍼灸治療

このようなことから鍼灸治療ではまず胸椎4番から9番の弾力を取り戻すことを優先させます。それが胸郭周囲の筋緊張を緩めることにつながり、乳房への血流やリンパの流れを回復させることになるからです。

もちろん局所治療も大切です。脇の下にある手厥陰心包経の「極泉穴」という経穴を触診すると、乳がんが発生している側が極度に緊張しています。この状態も血流やリンパの流れを阻害するので刺鍼してしっかりと緩めます。また人体の中心である「脾胃」を整えることも非常に重要です。

◼︎骨盤の歪みを取る

治療が上手くいっているか否かを判断するには東洋医学の望診、脈診、背候診などの様々な診断法がありますが、最も分かりやすいのは骨盤の状態を確認することです。

乳がんに限らずがん患者の多くは、右腸骨が力なく下垂して右脚が長くなり、左腸骨が外側に開いて左脚が短くなっています。この状態が治療後に改善されていれば、治療は概ね上手くいったと考えてよいわけです。この治療を繰り返すことでがんの改善を期待します。

◼︎乳がん治療に東洋医学を取り入れる

抗がん剤や放射線治療を行っても思わしい結果が出ないのは、このような人体の構造上の問題をそのまま放置しているからだと思います。

上述したとおり私たちの体には1日5000個のがん細胞が生じています。免疫力がそれを抑制するという絶妙な均衡の上に私たちの健康は保たれているのです。がんの原因が均衡の破れた体にあるとすれば、まずはそれを整えることが必要でしょう。

このような治療は現代医学的な治療を受ける前、治療中、治療後のどの時期にでも有益です。また東洋的な治療には、ご自身で胸椎の弾力を取り戻す呼吸法や手当て法などもあります。ご興味のある方はプラナ松戸治療室でご指導致しますのでご連絡下さい。ぜひ東洋医学の治療を上手に取り入れて、健康を回復して頂きたいと思います。